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一光寺便り

【令和7年】春の彼岸合同法要が執り行われました。

春の彼岸法要を厳修し、ご供養させて頂きました。

彼岸とは、仏教において「悟りの世界(彼岸)」と「迷いの世界(此岸)」をつなぐ特別な時期であり、春分・秋分の日を中心に行われます。

太陽が真東から昇り、真西に沈むこの日は、阿弥陀仏の極楽浄土が西方にあるとされることから亡き人を偲び供養をするのに,ふさわしい日とされてきました。

彼岸の本来の意味と仏教的意義

彼岸はもともと「パーラミター(波羅蜜)」の訳語であり、悟りに至るための修行を意味します。

六波羅蜜(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)を実践し、迷いの世界から解脱することが説かれています。

彼岸の期間は、ご先祖供養だけでなく、自らの修行を見直し、善行を積む機会でもあります。

神道(古流)の視点から見た彼岸

古来より、日本では太陽信仰が根強く、春分・秋分の日には神道的な意味合いも見出されていました。

古流神道の視点では、太陽の動きは「天と地をつなぐ神の道」を示し、神々との交流が最も盛んになる時期と考えられます。

神道では、春分・秋分の日は「祖霊祭」の意味も持ち、祖先神(氏神)への感謝を捧げる時でもありました。

特に、伊勢神宮や出雲大社では、太陽の運行を重要視した神事が行われてきました。

これは仏教の彼岸と共通する部分が多く、日本の宗教観が「神仏習合」の中で発展してきたことを示しています。

春分・秋分の日は世界中で特別視され、さまざまな文化・宗教で重要な意味を持ってきました。

日本の彼岸もまた、太陽の運行と深く関わっており、祖霊信仰と仏教の智慧が融合した独自の文化を形成しています。

現代においても、この時期は単にお墓参りをするだけではなく、自らの行いや心の在り方を振り返る良い機会です。

六波羅蜜の実践を意識し、感謝の気持ちを持って生活することで、現世での善業を積み、未来の幸福へとつなげることができるでしょう。

また、神道(古流)の視点からは、春分・秋分の日を「自然と祖先への感謝を捧げる日」として意識し、太陽の恵みに感謝することも大切です。

彼岸の日を迎え、仏教・神道の視点を融合させながら、先祖供養と共に、心の修行を深めていきましょう。

金剛山 一光寺

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