blog

一光寺便り

灌仏会~お釈迦様のご誕生を静かにお祝いして~

4月8日は、お釈迦様のお誕生日にあたる「灌仏会(かんぶつえ)」の日でした。

日本では「花まつり」としても親しまれており、仏教徒にとっては、お釈迦様のご誕生を祝い、その御恩に感謝する大切な仏縁の日です。

灌仏会では、天から甘露の雨が降り注ぎ、龍が産湯を注いだという伝説にならい、誕生仏に甘茶を注いでご供養いたします。

今年の灌仏会は、弟子の法妙、法圓と私の三人で静かに執り行いました。

本堂には檀信徒の皆さまからお寄せいただいた色とりどりの花々が溢れ、お花畑のような荘厳な空間が広がり、お花に囲まれた中でのご供養は本当に有難く、お釈迦様も、それを祝う諸天善神方もさぞお喜びだったことでしょう。

本堂にて釈迦法を修し、その法の流れの中で、私自身の手でお釈迦様の像に甘茶をそっと注ぎました。

当寺院のご本尊は、お釈迦様でございます。

だからこそ、この灌仏会は当山にとって特に大切な行事であり、お釈迦様のご誕生を祝い、御前で法を修することは、私たちにとって何よりの仏縁であります。

この灌仏会では私と法妙が実際に訪れた、ネパール・ルンビニの風景を思い出します。

お釈迦様が生まれたと伝わるその地には、「天上天下唯我独尊」のお姿で右手を天に、左手を地に指し示すお釈迦様の像が静かに佇んでいて、世界中から訪れる人々の祈りが静かに満ちている場所でした。

そうした経験も重なって、今日この場所でお釈迦様を供養できることが、より一層ありがたく感じられました。

来年の灌仏会も、皆さまと共にお祝いできることを願っております。

一覧に戻る